2016-11-14(Mon)

浅香守生さんのOP演出について

 どうも。

 冬コミ受かりました。3日目・東V52b「雑感雑考出張所」です。
 今回は『中村亮介さんについて。』で新刊出したい…出します。中村さん演出作品・話数からピックアップして中村さん演出の魅力を伝える一冊をだそうかなーと考えてます。あとは中村さん自身が色んな所で自身の演出のルーツだったり、考えを表に出しているので、そこからなんかいろいろ拡げたりとかできるかな、とか。斉藤さんの時以上に愛ある一冊にしたいですな。
 原田さんのやつは憶測に憶測がどんどん積まれていってなんかぼんやりした感じになりそうだったので、ちょっと一回ポシャります…。もうちょっとちゃんと調べてからにします…。
 てか大晦日サークル参加初めてだ。楽しみです。面白い本になるかはわかりませんが、お目当て回った後にでも是非是非寄ってください。よろしくお願いいたします。


 だからというわけでは無いんだけど、今回はちょっと浅香守生さんのOP演出について。
 
 以前中村さんがあいうらイベントで「浅香さんは物を使っての演出が上手い」なんて話をしてた気がするけど、OPでもその作品内の物や要素を映像内に持ってくるのが上手だなあと思うことが多々ある。
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「カードキャプターさくら」OP3では、さくらの杖にもある星型の物が乱反射の鏡となってさくらを様々な方向から映し出す。下で触れるフレームを作るっていう部分にも関連してくるかな。
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「ちはやふる2」OPでは小さい頃のちはやが歌詞とシンクロして自分の想い(紅葉)を大切に握る。
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「俺物語!!」OPでは二人が仲良くなるきっかけとなったスイーツや果物が出て来る。苺に乗るってアイデア面白いですよね。フラフラと足を動かす大和がポップでキッチュ(死語)
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「俺物語!!」OPから。ゴリラに例えられがちな猛男がキングコングになるっていう。
「俺物語!!」OPは他にも足跡を使った二人の距離感が歌詞とシンクロしている。


 浅香さんはインタビューでこんなこと言ってます。

>あと当然ですけど、音楽に乗ったところの気持ち良さは最低限がなければいけないと思うんです。最近やった「ダイヤのA」だと、テンションを一気に上げて、見てる人の血圧が30ぐらい一気に上がるぐらいの感覚です。オープンニングを観終わった時に作品を見る状態ができていて、本編に入っていくというのがもくろみです。

アニメ業界の詩人 浅香守生監督インタビューより

 これはDNAのOP(浅香さん初OP演出)やったときの話をしているときの文脈だけど、「オープンニングを観終わった時に作品を見る状態ができていて、本編に入っていく」という部分で工夫されている要素が多いなあと思う。
 例えば文字演出。浅香さんは作品タイトルをそのまま演出の一部に組み込むことが多い。
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「俺物語!!」OP。イメージBGのど真ん中に俺物語の俺の文字(この後のカットで「物」「語」も)。TVシリーズにおいてこれからこのタイトルのアニメをやりますよってのは必要だと感じる。このタイトルの作品をこれから見せますよ、という導入といった印象を受ける。
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『ダイヤのA』OP。キャラの手前にタイトルを出す。後ろではきっちりと野球作画が描かれている情報量が多いカット。こういう場合の手前に来る文字って絵コンテでどう指示出してるんだろう。BOOKとは意味合い違うだろうし。
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『ノーゲーム・ノーライフ』OP。タイトル文字がフレームとなって存在している。浅香さんはキャラクターの関係性や心象表現でフレームを使うことが多い気がする。
テキトウに並べたけど、蛍光色が目立つなあ。

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文字演出という点で、『ちはやふる2』OP。文字や文章(というよりも短歌)が話の根幹でもあるこの作品では、登場キャラクターのまわりに百人一首が存在しているようにOPで演出されている。

 上で少し触れたフレーム演出という点も浅香さんの特徴。
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これも『ちはやふる2』OP。独立した3つのフレームがちはやによって一つになる。バラバラだった存在をカルタが結びつけた、という点でカルタがフレームとして機能しているというアイデアも面白い。

んでなにより浅香さんのフレームといえば空。
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『DNA』OP。上のインタビューではりんたろうさんが添削して~ってな話があるけれど、このサビの部分の青空とフレームは浅香さんのアイデアなんじゃないかなあなんて。これも歌詞とシンクロした画面になってて、青空の中に小さなフレームができて、そこはかとなく狭小な世界を感じさせる。この空の青色が良いんですよねえ。普通こんなド直球に群青にしないと思うんですけど、別な世界の空って感じがして、とても好き。ぶっちゃけ今回これが言えれば満足。
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『ローゼンメイデン』OP。引きこもりの主人公が見る部屋からの狭い空…というよりもそれに対する部屋の黒が際立っているような画面。


 空に関連して。

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『カードキャプターさくら』OP1。この漫画チックな雲と群青(…とは違うか?)な空の色がとても好き。「会いたいけど言えない切ないこの気持ち」なさくらの空の色と雲。切ないながらシンプルな感情にシンプルな空。
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『カードキャプターさくら』OP3。画面下は少し薄い色の空。でも雲も無くシンプル。なにかを望む、求めるような歌詞の時に空のカットが多い気がする。


 上で触れたもののほとんどにアイデアとアイデアのリンクが見られてて、「本編に入っていく」自然な流れを生み出しているように感じる。「物」が「フレーム」を作り、「フレーム」は「空」に演出を加える…みたいな。書いていて思ったけど、自分が浅香さんのOPで一番好きな要素は「色」なんだろうな。独特なんだけどアイデアのリンクの中に色が存在するから、作品またはOPの中に溶け込んでいて、それでいて別の作品やOPでは味わえない画面を見ることが出来る。そんな画作りが良いなあって思ったのかもしれない。


 最後に
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 『カードキャプターさくら』OP3、めちゃくちゃ大好きです。タイトル出るところのシンプルなシルエットとピン送り、サビ前の音楽とのシンクロ、最高です。涙が出そうになるくらい。



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2015-11-15(Sun)

アニメーションスタジオ TRIGGER 大塚雅彦の演出講義 2回目について。

 どうも。隔週で演出講義やってたので隔週更新を考えてましたがダメでした。とりあえず一段落ついたので、またぼちぼち更新していきたいです。

 今冬のコミケも受かりました。嬉しい。
 今回は「火曜日 東地区 "チ" 55b」、ということで1日目です。アニメーター島の日と離れちゃったし誰も来なそうですが、参加したついでに寄ってくれると嬉しいです。今のところ原田大基さんの作画的見どころのまとめと、アニメアール内での原田大基としての役割はなんだったのか、みたいなこととか、版権掲載と寄稿したもののまとめとかを考えてますが、今回はホントに出せそうにない気がするのでその際には既刊の斉藤さんの本持って行きます。ごめんなさい。全ては仕事が悪い。労働は悪。


 今回は前回に続き、大塚さんの演出講義第2回目について書きます。今回は「アニメの芝居のつけ方」というテーマで、キャラクターの芝居において演出が注意すべき点や、有効的な画面構成、演出指示についての話が中心でした。

 今回も理解の間違いや聞き間違い、雑な整理点等あるかと思います。それ違うんじゃない?ということありましたらご指摘お願いします。斜体の字は私が話し聞いてて思ったこととか微妙に関係ない感想です。誤字脱字は直さない。



  ○アニメと実写で感じた演出の違い

  実写の現場も経験している(庵野監督『ラブ&ポップ』で監督助手)大塚さんか見たアニメの現場と実写の現場で感じた違い
  1,絵コンテ
  実写で絵コンテがあるものは滅多にない。実写の撮影現場ではまず芝居を通して微調整を行うのが基本。動線の確認やセリフについても演者が実際の芝居を行う中で調整していく。アニメにおいては素材はフルで使うことが基本であるため、絵コンテにて事前に整理する必要がある。
 
  2,画面構成に関する部分
  実写では動きながらセリフを言う、ということもごく自然に行われているが、アニメで動きながらセリフを言うのは原動画枚数の制限等から難しい。そのため実写にて要求される、演者をどう動かしながら芝居をするか、ということよりかは、アニメはいかに動かさず画面をキープするか、ということが重要視される。
  アニメでは前からカメラを向けるか、横からカメラを向けるかだけでも原画マンのスキルが問われるため、画面構成にも配慮する点が多く出てくる。三次元的な動きをすると作画の難易度は上がる。
  アニメでは日常芝居は視聴者が見慣れていることなので、違和感を出さず表現するが難しい。作品においてキャラクターに感情移入してもらうのはとても重要な事だが、そのためには日常芝居が大事になってくる。ないがしろにできない点。食卓を5人が囲んでいる…というような画面もアニメにおいてはすごく難しく、手間のかかるカットだと認識される。



 ○芝居における表情の重要性
  TVアニメでは表情が一番大事。日本人は特に表情に注目する傾向にある。表情に寄って悟る、という文化があるため、話しすぎることは敬遠される。逆に欧米はジェスチャー混じりで話すことが基本であるため、動きまわる芝居が中心(ディズニーやピクサーが代表的)。 
  上記が基本、ではあるが必ず表情を伝えなければならないというわけではない。
  例としてマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督『岸辺のふたり』。

岸辺のふたり1
 
  基本的に画面が遠景であり、キャラクターの表情を見せることはない(自分も見たけど、多分一切ない。シンプルなデザインだけど肩を落としたり俯いたり、そういうことで表現している)



 ○画面構成についての実例
 
  1,長回し
  デジタルでの撮影となった今では長回しも難なくできるが、アナログ時は撮影処理に一つ間違いがあると一からやり直すことになってしまうため、撮影スタッフには非常に不評であった。
 
  アナログ時代の長回しの例として、『母をたずねて三千里』1話(高畑勲演出)。

母をたずねて三千里
 
 約一分の長回し。マルコの回りにいた群衆の人々が離れていくカット。カットを割っての表現でもおかしくはないが、マルコの頑なな意思を強調するため、長回しをしている。『母をたずねて三千里』の高畑勲さん演出回に顕著に見られるのはドキュメンタリー的な、客観視するような冷たい画面。上記画面においても群衆のカットを入れるでもなく、表情が大きく動かないマルコを突き放すように、一直線に映している。
 他にも『じゃりン子チエ』6話の高畑勲さん演出回でもドキュメンタリー的な客観的なカットが見られる。チエの虚無的な感情を映す。(こちらのブログで触れられています。ページ中段、マラソン大会のあとで… http://gugugu001.blog70.fc2.com/blog-entry-105.html
 

 逆に宮﨑駿さんはキャラクターに入れ込むタイプ。主人公と同化してしまうような画面構成。
 例として『となりのトトロ』。暗いバス停にさつきがポツンと立っているシーン。主観のカットの使い方が抜群にうまい。
 さつきの孤独感を強調する、薄暗い画面。『風の谷のナウシカ』でも飛行船が不時着するカットで主観を使っている。キャラクターと同化するような臨場感あるカット。

 2,上手下手
 演劇用語から来る言葉で、観客から見て右側が上手と呼ばれ、左側が下手と呼ばれる。この上手下手の位置関係を意識した画面構成をする演出家もいる。
 富野由悠季さんが典型的な例。富野さんは上手から主人公を登場させることが多い。
 この人物配置は富野さんの演出面からの考え等もあると思うが、アニメーションにおける法則を念頭に置いて作っているという可能性もあるのでは。主人公は作品においてアニメーターが描く回数が多い人物であるため、右利きの人が書きやすい、左向きのキャラクターになるよう主人公を配置しているのでは。アニメーターのストレスを減らす実務的な要素からくるのでは…?一つの理由かもしれない。
 ちなみにデヴィッド・リーン監督『アラビアのロレンス』においては下手から上手への方向で進行方向が一貫している。

 3,手法にこだわらない画面構成
  岩井俊二監督『花とアリス殺人事件』では、上述したアニメーションは動かすな、常識を意識せず作っている。
  アリスと陸奥が会話するシーンではモブを含めて動き続ける。ロトスコによる作画ということもあるが、作画の崩れを気にせず、スーパーアニメーターがいない条件(磯光雄さんの名前があるけど助っ人的な役割らしいし…という話も大塚さんからあった)の中で作ることを前提として画面を考えているように見える。

花とアリス2
 
 (大塚さん曰く、アリスがバレエを習っているっていう要素も動きで盛り込みながら、会話をしながら芝居が進む・・・ということができているとのこと。)

 4,大塚さんがアイデアを得た画面構成
   ジェームズ・アイヴォリー監督『日の名残り』。最後の別れのデート的なシーンでベンチに座る。演者の衣装を含めてモノトーンが強調される画面内で、後ろの壁は黄色。しかし、暗めの黄色であり、2人の心情のあたたかみ、一瞬の幸せを表現したような画面になっている。
 日の名残り

 これに影響されたのが『天元突破グレンラガン』17話(大塚さん演出回)。惹かれ合う二人が会話するカットで、青だと冷たい印象になってしまうため、暖色系である、上記のようなオレンジ色を指示した。キャンドルっぽくも見える感じになった。画面内の色でも大きく印象を変えることができる。

グレン
グレン2
 (街の遠景って言ってたから上のカットかな?暖色系が強調されてるのは下のカットだけれども)

グレン3
(ちなみにこの後、幸せだった二人がこんな感じになって引き裂かれてしまうという。その時の画面の色は青。17話は青とオレンジが強調されて使われている感じがする。ロシウが画面の中心に来るときは青いモニターが画面を覆い、カミナの銅像前ではオレンジ色の夕日が指す。)



 ○セリフの測り方
  セリフの長さを決めるのも演出の仕事。止め口パクにするかどうか、セリフの長さは何秒か…といったことを決めるのが要素の中心。「おはようございます」というセリフひとつとっても、ダルそうなのか、ハキハキしているのか等、状況に応じて話す長さは違う。一音三コマが基本だが、話し方で多様に変化する。役者に近い演技で実際に演出が演ってみることもしょっちゅうある。でも演出がやると棒読みになりがちなので、短くなってしまいがち。
 『天元突破グレンラガン』では、カミナ役の小西さんが啖呵を切るところはコマ数を増やしてじっくり聞かせるようにする…というような測り方もしていた。演者によって長さを調整することもある。
  口パクのパターンは基本3枚。開き口・中口・閉じ口。開き口だから「あ」とか「お」の音だ、と考える人もいるが、映像内ではあまり使い分けても効果は薄いと感じる。セリフの長さに合わせて3枚を使い分ける。…ディズニーは3枚では済まないけれど。

  (ここで『ニンジャスレイヤー』の口パクをするカットを用いて口パクの例)

  台詞を言い切ったあとに開いた口が残ると、口パクが合っているようにみえる。つまりセリフより長い時間空き口が残っていても違和感がないならそのまま完成画面として使うことができる。また、口パクがセリフより先行して動いてしまっていても違和感がない場合があるため、前後の許容範囲は広い。
  逆に音に合わせる口パクになっていまうと、口の動きにバリエーションがなくなってしまいがち。単純に口が動いているように見せるためには3枚をランダムに利用することが効果的。また、「ん」の発音に閉じ口を使えばいいというわけでもない。前後の音との関係性で閉じ口を使わなくても「ん」を表現できる。閉じ口が有効的なのは「ぱ」行や「ま」行。ブレス(セリフとセリフの短い隙間に閉じ口を使うこと)を組み合わせることにより、更に口パクにバリエーションが生まれる。しかし演者にとっても口パクが合わせにくいと感じてしまうデメリットも…。
 上記内容はスケジュールに余裕が無いと、こだわれない点でもあり、また演出の好みがでる部分でもある。

 さらに、こだわりポイントとして基本3コマの口パクに2コマの口を入れたりして、口が早く回る部分を作り、ランダム感を出させることも可能。

 実際の人が話すところを観察すると、セリフの終わりは閉じ口ではなく半開き(=中口)のほうがリアルに近いことがわかる。そのかわり半開きの顔が残るため、締りのない顔になってしまいがち。閉じ口で終わったほうがやはり問題はないかもしれない。

 『新世紀エヴァンゲリオン』ではカットの終わりを閉じ口にし、閉じ口を6コマ見せていた。これによりセリフの歯切れの良さを伝えることができる。勢いの良いセリフなどは開き口と閉じ口だけを使い、最後の閉じ口を6コマで見せるとメリハリを感じさせる口パクになる。



 ○Q&A
 
 ・3Dアニメと2Dアニメの芝居の付け方に違いはあるか
  基本的には変わらないが、芝居のチェックの仕方が異なる。2Dは絵の上で修正を加えるが、3Dでは既に完成画面に近いものが出来上がってきて、それを映像としてチェックするため、その映像を見ながら修正点を口頭で指摘しなければならない。3Dではその段階で関節を増やしたりすることはできないため、デフォルメや新たな大きなアクションをつけ加えることはできない。3Dの打ち合わせで画面に紙を重ねて絵を描き、修正点を伝えたこともあった。
 そのため演技プランに煮詰まった時、折衝できない時は2Dのほうが打開しやすいと感じる。

 ・日本のアニメに外国人のキャラクターが出てきた場合はジャスチャーを多めにつけたりすることはあるか
  違和感が出てしまうため、日本人キャラクターと同程度しか動かさないのが基本。その上で作品のニュアンスに合わせ微調整
 する。




 以上。自分の気になったところ、残したいところ以外は端折ったところもある。
 口パクの話はめちゃめちゃおもしろかった。このダメダメなまとめで魅力が伝わるかどうかはわかんないけど。
 クセのあるセリフの時の声優さんの芝居と口パクの動きとかコマ送りしたら、なにか新しい見方が生まれてきそうな予感。


2015-10-25(Sun)

アニメーションスタジオ TRIGGER 大塚雅彦の演出講義 1回目について。

 お久しぶりです。相変わらず現行アニメは見てるけど感想とか書く元気もなく、死んだ目しながら生きてます。今季はハイキューと緋弾のアリアがいいですね…


 先日行われた大塚さんの演出講義に行ってきました。将来演出志望とかではなく、単純にお話し聞いてアニメの見方が広がればいいなという理由で参加しました。私が参加した回は3、40人中5人程度が現役演出もしくは演出志望の方だった気がします。ほとんどの人が自分みたいな考えで(単純に手が挙げづらかったから上述の人が少ないかもだけど)参加しているようだったので、今後参加したいと考えている人はそんなに構えず参加できると思いますぞ。

 レポOKということだったので、メモったもの整理しつつ内容を書いていきます。
 あ、ちなみに今回のテーマは「演出の仕事」ということで概要的な部分についてのお話が中心でした。演出とは~とか絵コンテの読み方とかからお話は始まり、作業工程の流れの中で演出の仕事について触れていく感じでお話されていました。

 メモの取り間違いや聞き間違い、解釈の間違い、私の理解不足な部分が多々あると思います。ご了承ください。ちなみに斜体の字は私が話し聞いてて思ったこととか微妙に関係ない感想です。


○演出とは
 主な演出の仕事は絵コンテ・処理が中心。絵コンテを元に各セクションを(現場的ポジションから受け持った話数を)監督する。
その中で重要なのが、作品について「なにをどう見せたいか」。演出によって方法論も目的も異なるため、大塚さんならこうする、ということが前提で講義は進む。

○絵コンテ
 なぜ絵コンテシステムが取られているのか。メリットとデメリットを挙げ、説明。
 
 絵コンテシステムのメリット
 ・作品の全体をコントロールできる。絵コンテに書いてしまえばそれが土台となるため、各セクションへの強制力となる。
 ・土台があることにより、不要な作業が減る。
  →実写の場合だと素材の2/3がカットされるのに対し、絵コンテシステムを取るアニメは98%の素材が使われる。
  →演出プランによってコストを予測することができる。
 絵コンテシステムのデメリット
 ・アイデアを出す人が演出だけになってしまいがち。
  →各セクションのアドリブが限られてしまう。そのため自分のアイデアを使いたい、と考えるセクションからは不満が出ることになる。
 ・絵コンテを書く人間の画力不足で、書きたいレイアウトを絵コンテで伝えることが出来ない場合がある。
  →原画マンによる作業の完成度にも影響してしまう。

 演出の立場として絵コンテを読む場合のポイントについて
 ポイントは以下3点。

 1,絵コンテを通して読む
   観客の視線となって、リアルタイムで放送していることを想定し、その速度で読む。
   →この読み方によって気になった点や、良いと思ったところ、悪いと思ったところをメモしておく。
 2,シーンを考えながら絵コンテを読む
   絵コンテ全体から焦点を少し絞り、各シーンごとの「テーマ」を伝えられるコンテになっているか確認する。この「テーマ」は作品内での問題提起等、作品の核心・重要な部分だけではなく、演出が考えた、そのシーンで見せたいところも含む。また、作品における「テーマ」を検討するときに、「テーマ」がきちんと機能するためにシーンごとの役割を考えた構成を意識することが大事。
   なぜそのシーンがあるのか、全体的な役割はどういうことか、確認する。
   →大事なことはシーンの終盤にあることを基本として、それを意識する。
 3,詳細を考えながら絵コンテを読む
   シーン単位から焦点を絞り、カット単位で具体的状況を考える。この読み方においては視聴者の見るスピードとは違うため、そのことを念頭にカットを読まなければ「木を見て森を見ず」な結果となってしまいがち。
   絵コンテを読みながらカットのテーマを考える。「顔を上げる」、「ボタンを押す」など、全体を見れば些細なことでも、カット単位で見るとそれがカット内での重要な目的となる。目的を実現するために、そして視聴者に伝えるために最善のプランを検討する。作業量をどう減らすか、どこにソースを割くか。
   →このカットは止めで対応できないか、なるべく少ない原画枚数で対応できないか…等の検討。
   →ここをじっくり考えられれば各セクションに要求することは最小限になる。各セクションの担当者は時間制限がある中での作業であるため、やりたい部分から取り組んでしまいがちである。そのため演出が優先したい要素がないがしろにされてしまう可能性がある。いかにここで省力化できるかを考えることが、最終的には演出の目的の実現につながる。

○作画の盲点 絵コンテから原画作業での注意点
 絵コンテには線画で描き込んで行くため、完成画面も線画として考えてしまいがちである。そのため作打ちできちんと話しておかないと、場面が昼か夜かわからなくなってしまうことがある。
 →色のイメージが具体的ではないまま作業が進んでしまうことが多い。演出の仕事の一つである「画面の色」について考えが行き届かなくなってしまう可能性あり。例としてセルとBGの光源がバラバラになってしまうこと等。夕景なのにセルが通常の影の落とし方になってしまっていたり…不要な手間が増えてしまう。光源については演出がコントロールしなければならない。

 レイアウトのチェック段階において、カットの割り方を再度整理する必要がある。
 カットを割るということは時間を割くということ。カットを切った時間は盗まれている。そのことを理解し、カット内の目的の実現を図る。例としてカットを割っても盗む時間を少なくすることによってダブルアクションっぽくする…等。逆にアクションを省くこと(時間を多く盗む)によって前後のカットが上手く繋がることもある。
 →コンテの尺は絶対ではない。しかしなぜコンテに記載した時間で尺を定めたのか、演出は理解し、必要であれば各セクションに設定した時間であることの意味を伝えなければならない。

○作業工程における演出の役割、作業について。

 1,打ち合わせ
   基本的にはコンテが完成した段階で各セクションとの打ち合わせを行う。前後する場合もあり。
   演出打ち…監督から演出が指示をもらう。
   作監打ち…演出から作画監督へ指示出し。
   美打ち…演出から美術へ指示出し。シーンごとの指示が多く、少し大きめな目線で伝える。
   色打ち…美打ちと一緒にやることもある。セル作業とのすり合わせが中心。
   撮打ち…演出から撮影への指示出し。
   打ち合わせにについては事前に具体的な指示を考えて、それを相手に伝えることが重要。各作業者はやりたいことに対し意識を持っていかれがちであるため、作業におけるバランスを明確に伝えることも重要。(…ここらへんで大塚さんから実務的なお話がった。一番熱がこもっていたように感じる…でもそれは割愛。)
 
 2,処理及びチェック
   演出が処理に費やす時間はとても多いが、絵コンテを書き、各セクションへ作業内容を説明することが終わった段階であるため、ほぼ後処理に近い。やってほしいポイントが出来ているかどうかの答え合わせ。
   →演出が考えた目的とずれた画面にならないか、演出が考える目的が達成されているかどうかチェック。
   →目的が達成されているなら合格点を広く持つことが大事。例えば銃を撃つことを目的としたカットであるなら、銃を撃つカットが横から撮った画面か、前から撮った画面かを重要視せず、目的が達成されているかどうかをチェックする…等
   どのカットでも共通して一番重要すべきことは「キャラの感情の繋がり」。動作の整合性(気になる・ならないにもよるが)よりも前に来る。視聴者の視線が集まるキャラの感情が最優先。視聴者の視線の中心がチェックの中心となっているか意識する。

 3,美術への対応
  美術に対してはレイアウトが最終的な指示出しとなるため、演出に伝えるべきことはレイアウトで要求する。
   →画面内の部分がセルかBGなのか、BGは何フレーム必要なのか・・等、素材への要求を明らかにする。
   →レイアウトには尺を書いておくこともポイントの一つ。担当するカットが何秒表示されるのか美術にはわからないこともある。美術が手間を掛ける度合いを勘定する基準にもなる。
 美術ボードの発注も色味の基準、セルの色の基準となるため、演出(または監督)の仕事ととなる。

 4,撮影及び編集
  撮影はスケジュールの問題から線撮になってしまうこと多し。細かい部分についても理解している演出が深くかかわらなければならないセクション。
  編集は実作業についてはほとんどセクションに任せる。尺の過不足時が演出の出番。決められた時間を3分以上オーバーする場合はカットに欠番を設けることもある。セリフを削るなどして対処する。
   →大塚さんが経験した中では7分オーバーなんてこともあった。(…グレンラガンの紅蓮篇だったかのコメンタリーでも似たような話をしていたような…曖昧)

 5,アフレコ
  キャリアが少ない演出の場合は黙ってみているだけの事が多い。細かい変更点等があった場合は、その話数を深く理解している演出の出番。キャリアを積んでいけば声優の芝居について口出しすることもできる。
  →声優は見た絵の通り演じてしまうことが多い。線撮等の不完全な画面で声優に演技をしてもらう場合、うまく場面の意図が伝わらないことがあるため、完成画面に近い素材を利用するべき。

 6,ダビング
  キャリアが少ない演出は黙ってみてるだけの事が多い。音楽をどこから流し始めるか等は音響監督が決定することがほとんど。この段階で色がついていないとSEが困る。
   →草なのかアスファルトなのかわからない…なんてこともある。そういった場合SEはどちらとも取れそうな音を使ったりして対処しているという。
   →画面がガラっと変わってしまうこともあるため、音響さんは線撮に対して不安感がある。以前、線撮段階ではロボットが飛ぶ画面であったため、飛ぶ音をSEにつけてもらったが、完成画面ではロボが走っていた…なんてこともあった。

 7,リテイク出し
   音響と平行してリテイクを出すことが多い。リテイク期間をきちんと取らないとクオリティコントロールができなくなってしまう。
    →リテイク期間は2週間程度あるのが理想的だが、実際は1日だけ、ということもよくある。


○Q&A 出席者から大塚さんへ質問及びその回答

  ・デジタル化等に伴い多様な作業が可能となった撮影、編集への負荷はどう変わっていってるか。
   アナログからデジタルになった段階で要求する内容が変わった。ボケの指示が簡易化された等、良い点もあるが、要求も増えているのが現状。
    →ボケの指示については、アナログの頃はとても大きい機材を用い、3段階程度でしかボケの表現を作れなかったが、今はソフトを使って簡単に10段階のボケを表現できるようになった。

 ・タイトなスケジュールについてよく耳にするが、タイトになってしまっている理由はなにか。
  原因は絵コンテ作業と作画の遅れが9割を占める。視聴者から求められる要求が上がり、その要求の中心が作画であるため、作業時間も増えてしまっている。
   →実際の予算やスケジュールに見合う作品を作ろうとすると『ニンジャスレイヤー』になる。現状のアニメ業界では予算オーバー、クオリティオーバーが常識となってしまっており、状況に見合う仕事は現在できていない。
   →業界内には質の面で強迫観念がある。視聴者に叩かれるのが怖いという強迫観念。その強迫観念によりスケジュールが荒れ、絵が荒れる…という悪循環になってしまうこともある。(作画リテイクで時間とられるんですかっていう質問も併せてあったけど作画リテイクはこの段階では滅多にないっていう回答があったような気がする。メモってないので不確か)

 ・プレスコのメリット・デメリットは。
  メリットは声優の演技において自由度が広がること。デメリットは作画の芝居を声優の演技に合わせなければいけない(例として強調するような演技を声優がしたため、作画での芝居を増やさなければいけなくなってしまった等)ため、作業量が増える可能性があること。
   →ニンジャスレイヤーは演技を声優の好きにさせることが多かったため、プレスコに近い。実際にプレスコ作業をしたこともあった。

 ・キルラキルでのスライドを多用したギャグ等はコスト面を考えてのスライド指示だったのか。
  コスト面よりも絵コンテ段階で演出が決めていることが多い。スライドを多用したギャグは作品内での「お決まり」として各話演出に認識されていたから多用されていたのだと思う。(…この話を聞いて『プリパラ』で首がアカベコみたいになるやつが演出さん内で「例のアレ」と呼ばれていることを思い出した)

 ・演出の作業によるクオリティ保持はどの程度可能か。
   演出の目的達成基準によってクオリティ保持の範囲は異なる。基本的には演出の考える最低限度のクオリティが保持されていれば良い。

   トリガーで現在ナンバーワン演出は雨宮さん。最低限の部分はきちんと抑えているので、ニンジャスレイヤーでも雨宮さん演出回は面白い。面白い作品、話数は最低限の部分を抑えているため、コンテ撮の段階ですでに面白い。
   最近では花とアリス殺人事件も面白かった。ロトスコとCGを使用し、作画に頼らない、岩井さんの演出力に比重をおいた作品になっていた。こちらも最低限を抑えた(=最低限の作画クオリティを維持した)良い作品である。(…ここで磯光雄さんの名前が出た。深くは関わってないみたいだけどー程度で終わる。ニンジャスレイヤーと花とアリスが一要素だけでも並べられて話していることにとても興奮する)

 ・トリガーで演出になるにはどうしたらいいか
  トリガーでは制作進行を2年以上経験するか、原画を1年以上経験することによって演出試験を受けられる。学ぶ機会はないため、作業内で身につけなければならない。作業内で学ぶ、ということはどのスタジオも同じだと思う。(…東映は演出助手として今もたまに募集してた気がするなあ…押井塾とかがピックアップされることも多いし、そういう場面が滅多にないことは確かだろうけど)



 以上。概要的なお話だったのでスルーしてもいいかなあとか思ってたけど行って良かったです。とても充実した2時間でした。特にコンテを読むって話と雨宮さんの話は大変興味深かったです。雨宮さんの話したあと花とアリスの名前が出た時は思わず笑ってしまいそうになったけど(失礼ですな。すみません)、その後続く説明で納得。演出さんの目的達成のために省く要素を作る、そしてそこが味になっているってのがわかる。ニンジャスレイヤーは特に。雨宮さんはすげえと話す大塚さんを見ながらニコ生での雨宮さんの姿を思い出して笑いそうにもなったけども(失礼ですな。すみません)。
 転載を避けるためにレジュメ等は配られなかったです。パワポも凄くシンプルだった。次回以降も同様かと。

 あ、 あと参考文献として 
 神村幸子『アニメーションの基礎知識大百科』
 撮ま!(http://satuma.grupo.jp/
 を大塚さんが挙げていました。『アニメーションの基礎知識大百科』は私もオススメしたいです。作画の要素(カメラワークについても)が絵付きで載ってるのでアニメーションの作業工程に関する理解が深まります。『アニメを仕事に!』は宣伝しないんすか…?とも思った。


 個人的には第二回の「アニメの芝居の付け方」と第三回の「カメラワークの設定と指示の仕方」がすごく興味があります。めちゃめちゃ楽しみだなあ。


2014-03-04(Tue)

あいうらイベントについて。


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昨日やってたあいうらナイト2行ってきました。
自分がわかるように書いちゃうと思うので多分読みにくいです。間違いもきっとあります。てかほとんど他の人のレポと内容かぶってる。



 細居さんがアニメ業界に入ったころのお話

・美大に通っていた頃は手塚治虫漫画が好きだった。それがきっかけで手塚プロへ。手塚プロに入るまではアニメーションとはほとんど無縁だったとか。
・手塚プロでは出崎さんの作品に関わることが多く、ハーモニーのタッチをなぞることからスタート。
→立体感重視の手塚プロの影響を受ける。
・白鯨伝説で外のアニメーターさんと関わる機会ができ、フリーの道へ。
→高谷さんのダイナミックな絵には特に感激したらしい。
・劇場版AIRで知り合った小林明美さんの紹介でふたご姫に参加。




 中村さんと細居さんのカイジ13話でのお仕事

・中村さんが細居さん作監回での絵コンテ演出を担当したのは偶然のめぐり合わせ。
・中村さんの修正はかなりの量が入っているらしく、カイジが橋渡り前に鼓舞するシーンは腕の身振り手振りなど、中村さんのこだわりが見られる部分。
→冒頭の涙やチケットのしなる感じ、鉄骨を触った時の電撃、落ちそうになってもがくカイジ、歯の透過光等も中村さんが手を加えた。
→その結果原画に演出修正が加えられ、原画番号が1,1~1,9まで増えることもあった。またその上に細居さんの作監修正ものるので佐藤雄三監督には「出来は素晴らしいが、1000枚少なくてもこの出来で作れる」と言われてしまったとか。
・細居さんの修正で橋の上で泣くキャラの涙が流れるようになった。
・福本伸行漫画特有のなみうった表現も作画で再現。
・細居さんが初めて中村さんのコンテを見た時、ベテランの方のコンテだと思ったらしい。
→中村さんの演出で細居さんが特に衝撃的だったのは、シートも詰め指示もほとんど中村さんが指示していたこと。



 魍魎の匣でのお仕事

・畳や座敷に高い頭身のキャラは合わないため、特に中盤の座敷回は大変だったらしい。
→そのため細居さんは座るときに徐々に頭身を縮ませるような工夫をしたとか。
・細居さん曰く「『あいうら』や『ねらがく』のキャラのような可愛いキャラを立体的に捉えることに、リアル系の作画は役立った」



 メロスのお仕事

・TV局のプロデューサーが魍魎の匣が好きだったのでそのテイストを求められた。それを再現するため細居さんを指名。
・細居さん曰く「『青い文学シリーズ』の企画は、小説の表紙を担当した漫画家さんのキャラでアニメ化しよう、という企画で、表紙を担当した許斐剛さんのキャラ寄りに何度か直した」らしいが中村さん曰く「許斐剛さんのデザインは細居さんのデザインを見たあとに来た」らしい。
・中村さんの作品に多い冒頭の桜は見栄え重視のため。丸山さんからの影響らしい。
・冒頭のメロスvsディオニスは清水健一さん。アクションの最後で首元に剣を当てる動作は、中村さんが川尻さんから受け継いだ一つの要素。
・劇中で「メロスの演劇」にスポットがあたる部分が多いため、中村さんはテニミュなどの舞台劇を見に行った。
・中村さんは「現実とイメージがつながってしまう世界」に興味がある。
・細居さん「西田亜沙子さんは人物を平面的に捉えるのが上手」
・細居さん「メロスはスケジュールが伸びたこともあり、やりきることができた」



 Perfect Daysのお仕事

・中村さんはこのお仕事の前にマッドハウスを退社。
・ユーフォーテーブルの平尾さんの誘いで作ることに。
・最初らへんにでてくる歩道橋は南阿佐ケ谷のA1の前の歩道橋らしい。(←現在はない?)
・茶髪のキャラクターだけ細居さんキャラデザ。
・鳥が飛ぶとこのラフ原は中村さん
→『ねらがく』で鳥が飛ぶカットがあるが、そこは清水さんが担当。中村さん「清水さんのほうが上手で悔しい!」



 その他、Q&Aでのお話

・銀の匙EDは時間が無い中で、無いなりに良いフィルムを作ろうという発想から。
・中村さんは新海さんの作品も見てるらしい。
→中村さん「ハレーションをよく使うことは似ている部分ではあるが、美術の人ならではのハレーションの使い方であって自分とは使い方が違う。」
→小黒さん「中村さんはハレーションで感情の昂ぶりを表現している」
・細居さんは田中達之さんやスタジオ4℃にも注目しているらしい。
・細居さんは昔から柔らかい絵を描きたかった。『ねらがく』は設定が中学生なので控えめだったが、『あいうら』は高校生なのでより柔らかい絵を描くことができた。
・『ねらがく』でのエロスは中村さんがやろうと思っていたわけではなく要請からだった。
→中村さんにとっての重要な萌ポイントはシチュエーションや人間関係。特に幼なじみがツボらしい。
→襟がたるんで肩がでちゃうような格好を発案したのは細居さん。

・鎌倉をよく舞台に選ぶ理由は、知っている土地で作品をつくるほうが何かと便利だから。鎌倉に興味を持ったのは文豪の地、というところから。
・(細居さんが出崎さんのアニメに関わっていた時の思い出を聞かれて)打ち合わせ時に美監作監等勢揃いして打ち合わせをすることに驚いた。
・(中村さんが『魍魎の匣』の座敷回での演出を聞かれて)座敷内だけで物語が進むという制限された条件下は演出の見せ所。
→担当するコンテマン(浅香さんや浜崎さん)と切磋琢磨できて楽しかった。
→浜崎さんはイメージから表現をふくらませるのが上手。浅香さんはその時その状況でのモノ等を使っての表現が上手。特に浜崎さんからは影響を受けた。
→座敷回のコンテは修正していない。
・中村さんのお師匠さんは小島正幸さん。
・(中村さんがショートアニメの工夫について聞かれて)『あいうら』ではエンドレスの環境映像を目指した。寝る前にゆっくり見られると言ってもらったことが嬉しい。OP→本編→ED→エピローグというフォーマットは先に決まっていた。エピローグは時間の省略をしたくなかったからこそ用いた。(←でも7話で時間省略使ってたなあ)
(荒川二期OPのようなポップな作品を作ったことが意外と言われて)中村さん「明るい、ポップなものが自分は好き。浜崎作品は自分にはキビシイ…」
 


 原田大基さん関連

・荒川OPは宇宙人が殴られるところ(←殴るって言ってましたが多分ビーム撃たれるとこ)2,3カット。
→荒川での原田さんは一番上がりが遅かったらしく、制作さんが原田さん家の前で待ってたんだとか。それでも原田さんの腕をお二人とも信じていて「原田さんの原画には修正載せないので待ってました」とのこと。
・細居さんとはふたご姫の頃一緒にお仕事されていたらしく「原田さんは当時若かったのにすごい上手だった」とのこと。
・オカルト学院6話ラスト(←原田さんMADでもラストに使った)の原田さんパートはパン売っているところからラストまで。最後のレンズフレアは中村さんが原田さんに「金田系っぽいエフェクトで」とお願いして原田さんが書いた。



個人的に聞いたこと
・オカルト6話の準備体操をしているあたりは須藤智子さん。A1所属の上手なアニメーターさんらしい。
・魍魎の匣ラストの花火は江戸川乱歩の小説(タイトル失念)が元ネタ。脚本の村井さん発案だそう。



 ここ1ヶ月くらいずっと中村さんの演出回追っかけていたこともあって、一つ一つの話が非常に興味深かった。魍魎の匣とかメロスとか1回目見た時、お話の方に集中しちゃってあんまり画面に集中できてなかったし(でもおかげで2週間で3回通して見れた。見どころ多すぎて楽しい。)、やっぱりイベントの予習ってすごく大事だと思う。元からじっくり見ていることに越したことはないけど。
 なにより原田さんのお話をたくさん聞けたのがもう大変満足。話を聞けば聞くほど自分の好きな物とか人ってつながってるんだなあってのが実感できてとても嬉しかったし楽しかった。オカルト6話ラストのフレアは原田さん作画じゃないと思いつつもMADに入れちゃってたから、そういう意味でも間違ってなくて安心したというかなんというか結果オーライというか。いやーでも荒川OPでエフェクト描いてたの意外だなあ。悔しいなあ。
 夏コミでオリジナルPV(しかも細居さん一人原画らしい)出すみたいだし、まだまだ中村&細居コンビには目が離せませんな。というかざっと過去作品見なおしてやっと中村さんを追っかけるスタートラインについたというか。これからのお仕事は見方変わりそうでそれも楽しみだ。
個人的にはお仕事追っかけた結果、マッドハウス系のアニメーターさんもいろいろ調べたのでそういった方々とのお仕事がまた見たいなあ、なんて。あと中村&細居コンビと共にお仕事する原田さんのお仕事もみたいなあ、なんて。
以上、しょーもないレポでした。
2013-06-06(Thu)

ねらわれた学園について。

ねらわれた学園のソフトも発売されて原画クレジットも正確にわかったので、アニメスタイルイベント「ねらわれた学園の作画と演出」でのパートバレや中村亮介監督の発言と、オーコメで気になった内容なんかを箇条書きにして書いていきたいと思います。
聞き間違いとかもあると思います。話半分で。

原画クレジット
ねらがく_R


イベントで聞けたパートバレ。
・最初から学校まで…清水健一さん
→犬の作画は清水さんの全原画に近いらしい
・その後の廊下のあたり…奥田佳子さん
・その後の京極がピアノ弾いてるところ…宮本佐和子さん
→監督曰く「ピアノならエヴァに勝った」
・屋根?みたいなの付いた学校の庭で話しているところ…菊池愛さん
・朝食からコップ落とすまで…桜井邦彦さん
→桜井さんは「落ちる物」を書くのが上手で「走れメロス」の時も台本を落とすカットをやっているんだとか。
・その後の教室のシーン…藤田しげるさん
・神社での山際ゆりことカホリのやりとり…小木曽伸吾さん
・神社のシーンの途中で数カット入る京極のカット…奥田佳子さん
・ナツキが屋根からベランダにアクロバティックにジャンプするところ…桜井邦彦さん
・田中将賀さんはAパートの京極をTUで映したカットの二原、ラフ原は中村監督
・堀剛史さんはゴミ箱で殴るところの二原


自分がメモれたのはここまで。多分漏れは多いと思う。藤田さんは原画に名前がないので原画パートというか作監修濃いめ、って意味で言っていたのかもしれない。
あと「きぃうごくところ奥田」ってメモってるんだけどこれは一体…?


次は演出や中村亮介さんのお話について。
・中村亮介監督は煙が好きらしい(本編でも走ったあとの煙だったり叩いた後の煙とか、結構使われてる)
・マッドハウスは基本川尻善昭さんが演出にのお手本となるらしい。
・作中に出てくる緑の月は荒木哲郎さんにインパクトを与えたらしい。(冗談半分で)進撃の巨人で見られるかもとかなんとか。
・(跳ね回るねら学キャラを見つつ)あいうらはねら学よりもリアル路線。劇場作品だから当然かもだけどねら学は相当枚数が多いらしい。
・(過剰な芝居が多いことに対して)ねら学は気持ち優先の世界だからあの世界ではあの過剰な芝居が普通。
・廊下で持っている紙を落とさずキャッチする!という芝居はコンテ段階からそうなっていた(ここのカットは細居さんの修正がガッツリ入ってる)
・荒木さん演出のDパート。眼鏡が飛んで失神するっていう表現は荒木哲郎さんらしい演出。
・荒木さんはカッコ良くキメるカットに修正をよく入れるらしい。
・自転車に二人乗りしたり海辺で背中に字を書いたりする芝居は中村監督の理想だとか。それをコンテに書いたことを思い出して布団でうわーーーってなっちゃうらしい。
・おしまいの文字は監督の手によるもの。

…以上自分がイベントでメモったこと覚えてること。最前席で聞けたし、中村監督、細居さん、清水さんのサインも頂けたし、とても楽しかった。
ただ中盤からは中村さん細居さんばっか話してて、清水さん暇そうだなぁーとか思ったり、レイアウト設計っていう特殊なお仕事な上滅多に表にでてこない人が来てるんだからもっと奥深い話聞けたんじゃないかなぁとか思ったりもした。コメンタリー形式だからしょうがないけど。




次はコメンタリーでの演出、作画の話をピックアップしてみる。

・写真は参考程度。鎌倉感を出すのに写真じゃ違和感があったので参考程度に止めたらしい。自分なりの鎌倉感を重要視。その結果が神社の境内に江ノ電…?(一同笑)
・美術はテレビの中等を除いてほとんどデジタルでの作業。美術監督の金子英俊さんはほとんど初期設定のフォトショで作業してたらしい。
・緑色の月はカメラ使って露出し続けると緑色になるところから。
・桜は手書きのランダム感とCGでの動きを合わせ、独特な感じに。
・絵画的な絵が絵画的な絵のまま動くことを重視。
・ケンジは最初から最後まで芝居のさせ方は変えさせていない。主人公は物語が進むごとに変化していくことが基本だが、周りの人が変化することに対して変わらないケンジに個性がでることを狙った。




あまり作画系のお話は無かったかなぁ。あとこれ書いてる途中に保存しないでブラウザ閉じちゃったから抜けみたいなのもたくさんあります。多分作画関係のお話はまだまだあると思いますので、是非ソフトを買いましょう。

コメンタリーを聞いてみると手描きのアニメーションの楽しさとピュアな感情が中村監督の核的な要素みたいですね。エロいレイアウトやら芝居についてあまり言及しようとしないのは解説しちゃうとピュア成分が薄れるからなのかなぁと思ったり。もちろん恥ずかしいからってのもあるだろうけど。
あとは中村監督のアニメーションへのひたむきな熱意が感じられて、作画ファンの端くれとしてとても嬉しく思いました。
でもやっぱコメンタリーって何個か欲しいよね。このオーコメは音楽やら声優やら美術監督やらいろんな方面からお話が聞ける反面、逆に言えばどれも中途半端になっているような気がしなくもない。作中の「何か」に触れる回数もすごい少ないから概要的な話が多かったのもちょっと。
今回のオーコメなら音響系スタッフコメンタリーとアニメーション系スタッフコメンタリーが欲しかったなぁ。

あ、あとデジタル設定資料集も買いました。操作になれるまでちょっと違和感あったけど、ズームも綺麗にできるしソフト自体が軽いのでサクサク見れて快適。完成画面・コンテ・総作監修正を一つの枠に収めたのは本当に画期的だと思った。
細居さんの総作監修も濃密。でもちょっとキャラ寄りな印象もある。いろいろお話聞いてみると細居さんも相当動きに修正加えているみたいなので。でもまぁたまにあるキャラクターの可愛い原画寄せ集めみたいなのとは別物レベルなので、文句言っちゃいけないかな。

次はねら学本編の感想を書きたい。
プロフィール

Author:ざっかん
アニメ『グランブルーファンタジー』に斉藤良成さんがメインアニメーターとして関わるようですよ。絶賛応援。

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