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2018-02-28(Wed)

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』7話について。

 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』7話は会えないことの寂しさを知ったヴァイオレットが、大切な人と二度と会うことが出来ない「死」の存在を認識する話だった。

 Aパートではオスカーの世界がオリビアの死により「止まった世界」となってしまったことを映し出すカットが多い。
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 オリビアが座っているはずであった椅子。持ち主がいないような風景。
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 湖。風も吹かない「良すぎる」ほどの天気で落ち葉が溜まる。水鳥が波を起てることもなく、ただそこにあり続ける。
 タイムラプスでの夜の湖もあまりにも変化がなくて、逆に印象に残る。

 止まった世界にてオスカーは「いつかきっと」を、物語を通して追い求め、その中で「同じ色の髪の少女」であるヴァイオレットにオリビアを重ねる。
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 「右手に触れる」はオリビアと重なる。併せてヴァイオレットが義手であることを理解させる。
 そういえばヴァイオレットが義手である、ということを各話のキャラクターが知る…みたいなシーンは割りと重要なものとして描かれている気がするな。

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 オリビアとの思い出を重ねる、というカットが多い。Bパートへ繋がる芝居、同ポジもあった。

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 ヴァイオレット自身も劇中人物であるオリーブに気持ちを重ねる。その時に優しい微笑みを見せるオスカーがとても良い。二人の心がオリビア・オリーブを通して「いつかきっと」を叶えたいという願いに繋がっている。


 Bパート、同じ色の髪をもつヴァイオレットの助言によって、父の元へと帰るオリーブの物語に結末を付け、「いつかきっと」を実現させる糸口を見つけた。 
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 再生を象徴するように風が吹き、湖が揺れる。止まっていた世界が、再び動き始めた。
 
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 オリビアの形見でもあった傘をヴァイオレットに託す。世界を旅する自動手記人形によって、この傘はどんなところへも飛び立てるようになった。


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 …ただ、ヴァイオレットにとっては人の感情を知ることは人そのものを知ること。感情もなく、ただ人を殺してきたヴァイオレットの行為が誰かの可能性を奪っていたことを、この時やっと理解する。一つ一つの感情を少しずつ知っていくとともに理解する因果。知らず知らずにヴァイオレットの中に暗い炎が静かに広がっていた。
 人の感情は必ずしも幸福を与えるものだけでは無い。ギルベルト兄に「多くの命を奪ったお前が、人を結ぶ手紙を書くのか」と言われたにも関わらずヴァイオレットが大きな動揺を見せなかったのは、その一言が自分の存在価値をも脅かすものだと、ヴァイオレットは気づかなかったためかもしれない。
 
 
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 そして大切な人の死が自分にも降り掛かっていたことを知る。火を彷彿させる赤の絨毯。ヴァイオレットはその場から逃げることしか出来ない。
 
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 坂を駆け下りるヴァイオレット。ここまでマイナスなイメージとしての「下る」は今までなかったかも。
 
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 燃え狂う感情に反して、ヴァイオレットにとっての「世界そのもの」が無くなったということが分かるサブタイトル。真っ黒な背景が「空白」というより「ポッカリと穴が開いた」心象を表現する、絶妙なサブタイトルだったと思う。



 その他、印象的だった部分。
 ブローチを噛む。
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 序盤の回で多く出てきた仕草で、感情が理解できないときや上手く飲み込めないときに見せていた。今回は「死」へのとても辛く寂しい感情に対してだった。


 理解できることが増えるということが必ずしも肯定的な意味にはならないということ、というのはヴァイオレットの過去を考えると当たり前なことで。ただそれでも愛しているを知るためには人の心を理解しなければならない。そんなせめぎ合いが今後生まれてくるのかな。
 徐々に蓄積された人の感情の光と影。ヴァイオレットにとっての「世界」を失い、心の穴がどう埋まるのか、もしくは埋まらないのか。
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2018-02-21(Wed)

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』6話について。

 どうも。じゃんじゃん…もう書かんでいいか…。

 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』6話は心の中にある寂しさに気づく回だった。
 
 大切な人と離れ離れになった、という意味で同境遇のリオン。このリオンとヴァイオレット、互いが相手の写し鏡となって、自身の気づけなかったり、隠された思いに触れる。ただ、単なる似た者同士という立場ではなく、気づいていなかった思いのその先にあるものへの考え方は異なる、ということを表現する演出が多かった。
 まずは光と影。光と影がくっきり見えたのはAパート序盤が多かった。もっと言うと、リオンの視点に立った心象表現として使われていた。
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 リオンとの初対面。ヴァイオレットに光が差す。リオンが自身を日陰者と考えている、ということの対比のような。アバンモノローグでリオンは自動手記人形を「わけもなく嫌悪している」と言ったけれど、自分とは違う華やかな存在だと認識するとともに、請われればどこへでも出向く、という部分がリオン母が出ていったことと重なったのかもしれない。このときはそれに気づかず「わけもなく」なのかも。
 その後、母親に見捨てられたリオンの過去を聞いたヴァイオレットは自らも孤児だと真っ向から言い返す。
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 リオンにとって過去は向き合えるものではなく、初めは光に背を向けてしまうが
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 その光は相対するものではなく、リオンの深部にある暗い過去へ差す一筋の光だと気づき、少し、近づくことが出来た。
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 そしてその過去が「似た者同士」だと目を細めるヴァイオレットに、リオンは強く惹かれる。
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 ただ、「少し」と感じるのは、フレーミングやヴァイオレットとリオンの目線の高さの違いがあったから。
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 二人が同じフレームに収まることが少ない。収まったとしても並び立ったり、横がけすることがほとんどない。似た者同士である二人だが、抱えている寂しさに相違があるように受け取れる。カットバックの密接感というよりか、独立した二人、みたいな。

 そしてその相違はヴァイオレットの眼差しが語る。
 ヴァイオレットは遠くを見つめているカットが多い。
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 空を眺める眼差しは、近くにいないギルベルトを見つめる眼差しのように感じた。そのためリオンと眼と眼があうカットも限られる。ヴァイオレットがリオンを見つめたり同一フレームにいることも数回あったが、天文台職員と自動手記人形という肩書きがあったり、アリー彗星への眼差しであったりして、リオンその人を見つめる回数は少ない。ヴァイオレットはいつも、リオンのずっと向こう、もっとずっと遠くの何かを見ている…みたいな。

 ただ、直ぐ近くにいるリオンから胸がぐっと重くなるその気持ちを「寂しさ」という感情だと教えられたことは確かであり、「寂しさ」と向き合うことの困難を知っているリオンから伝えられたからこそ、知ることが出来た。しかし互いの「寂しさ」自体に強く触れるわけではなく、ましてや傷の舐め合いでもない。互いが互いの心のうちに気づくための寄り添いであり、その距離感の構築が凄く良い。
 


 その他、関連して空について。
 ヴァイオレットは空を見つめることが多い。特に星空はEDにも出てくるモチーフ。6話では外壁で作られたフレームの中にも夜空があった。
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 このシーンでヴァイオレットが口にする、自動手記人形としての仕事が素晴らしい仕事だと思えるようになった、という言葉が印象的。星々が、ヴァイオレットが仕事を通して感じ取った人の心の無数さのようにも感じる。そうするとギルベルト兄から過去に言及された後にやってきた天文台という舞台は、人の心を再び模索するため空にもっとも近い場所にやってきた、みたいな考え方もできるかな。
 青白い空を眺めるカットもあった。こっちは真っさらなヴァイオレットとか、空白、みたいな印象が強い。
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 そしてラストは雲海の中へヴァイオレットが消えていく。
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 ヴァイオレットにとって天文台はギルベルトへの気持ちである「寂しさ」を知り、似た者同士であったリオンとそれを語り会える空間であった。
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 降りていく雲海へ目を落とすヴァイオレットからは、天文台を見上げていた時の笑顔が消える。ギルベルトが近くに居ないという現実の再認識。そして真っ白な感情のその奥に隠された感情、その意味を知るための決意。



 空とは少し逸れるし、意味合いが違うかもしれないけど、思えば『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の最初のCMもラストカットは“くう”を見つめていた。
 
 あぁーそういや最初はこの眼差しに感動したんだよなあ…。



 ヴァイオレットがC.H郵便者から外に出てからは出会った人々から新たな感情を受け取る、という回が多かったけど、今回はもともと内にあった感情に気づく回だった。ただその「気付き」はヴァイオレットにとってギルベルトへの感情である、ということが一貫していて、それがリオンとのフレーミングや立ち位置、目線によって惹き立てられていたようにも感じる。そしてその一直線の感情はリオンにとっても新たな価値観を与えるものだった、というのがまた良い。

 「その別離は悲劇にあらず。永遠の時流れる妖精の国にて、新たな器を授かりて、その魂は未来永劫護られるが故に。」

 自身の夢をかなえるために旅立ちの決意をしたリオンと、ギルベルトの居ない世界に再び旅立つヴァイオレット。二人が経験した過去の別離といっときの邂逅はアリー彗星と重なって、心のなかに隠れていた新たな器を手にする契機となった。
2018-02-18(Sun)

『刻刻』6話について。

 どうも。既に昨年更新回数を越えてしまった。凄い。

 『刻刻』6話で面白いところがあったのでちょっと書く。
 この6話は高低差あるキャラクターのポジションを活用した、カヌリニ出現に対する「不意の出来事の混乱」演出が面白い。

 翔子は真を人質に、樹里の「強制的に止者にしてしまう」能力を用いてカヌリニとなってしまった家族を救い出そうとする。そのカヌリニを出現させるために止者へ殺意へ向ける翔子であったが、カヌリニは一向に出てこない。緊張の糸が切れかけた中、貴文が殺意に言及にしながら止者へ触れると、突如、カヌリニが現れた。

 このカヌリニ出現のくだりは、殺意を何度も意図的に作り出す翔子の消耗にフォーカスした表情芝居と、キャラクターのポジションによる煽り・俯瞰アングルの連続で、かなり緊張感の強い画面が続く。
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 そこに貴文の何気ない一言、何気ない一息つく画面…であったはずなのに、なにかの異変に気づいた者から順に、表情に寄ってカメラで抜かれていく。
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 そして一番高い位置に居た迫の驚きの表情の後、その表情の理由であるカヌリニ出現という状況の全体像を、視聴者は俯瞰で知る。
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 最初に驚愕の表情を見せたじいさんの表情から、全体を把握することができる俯瞰のカットまで約7秒も待たなければならない。まるでキャラクターごとのカヌリニを認識するまでの時間差を体感するようなカッティング。
 一息つく空気感…であるはずだった貴文の行動から、突然始まるキャラクターの表情の変化と時間差は、見てるこっちにも意図的に混乱をきたす、面白いカッティングだった。


 樹里のカットを跨ぐオフゼリフも光る。これによって樹里のセリフ、迫の表情の大きな変化を同時的に受け取らねばならず、一つ一つの情報の大きさに飲まれる。この空間において樹里が「カヌリニを止者にする」という大きな役割を担っていること、真への一喝によって精神的な部分でも樹里の発言権が強くなっている印象等が重なり、必然的に樹里の行動や言動に集中しようとしてしまうから余計状況が不透明になる、というのもあるかもしれない。
 ただ、カヌリニ出現時、樹里は自分より上に居る迫に向けて話していたから、下に現れたカヌリニに気づくのが遅れる。それをキチンと「全体像が把握できるカット」の前後に挟んでいるから、樹里の状況把握の程度が確認できて面白い。実際これにより「カヌリニに触れて強制的に止者にする」という役目が出遅れ、迫に急かされて動き出すことになる。
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 原作マンガと比べても、この気付きの遅さは強調されていたような気もする…けど、こういう反射的に行わなければならない行動の早さをマンガと比較するのは個人差が大きすぎるか。

 また、今回予想外にもカヌリニ出現の鍵となる貴文。それをダークホース的存在にするための伏線的なカットもあった。
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 緊迫したカットが続くことの箸休め程度にしか考えてなかった自分にとっては、突発的なカヌリニの出現にかなり衝撃を受けた。



 こうしたキャラクターの立ち位置の高低差によるカット割り、事象に気づくまでの時間差、そしてその鍵となる人物のミスリードカットが複合的に構成されて、予想外の展開への導線としているとしていることが、とても面白かった。
 絵コンテ演出は菅沼栄治さん。原作マンガの該当巻数も読んでみたけど、基本的に原作意識したレイアウトになってた。ただやっぱりセリフを何カットにも跨がせたり、全体像が把握できるまでに約7秒かかるっていう作り方とかはアニメだからこそといった感じ(ちなみにマンガだと全体像が把握できるカットはページめくって直ぐの大ゴマ)。
 『刻刻』は4話で絵コンテ演出を担当された湯川敦之さんのお仕事も凄く良かった。別話数で演出で参加してたり作画で参加してたりしてるから、この後のお仕事にも注目していきたい。
2018-02-14(Wed)

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』5話について。

 どうも。じゃんじゃん更新。

 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』5話は、「本当の気持ちを知る」物語だった。
 シャルロッテの「ダミアンの気持ちを知りたい」という想いに、ヴァイオレット自身の「愛しているを知りたい」を重ねて、気持ちを伝え、受け入れられた時の感情を知る。
 
 Aパートは思い通りに行かないシャルロッテの気持ちにスポットが当たる。ヴァイオレットとの初対面時の会話やアルベルタとのやりとり、代筆された手紙を受け取った時…幼さの演出としてベッド内のシャルロッテというのも印象的だったけど、ちょっとしたところに見え隠れする、対話の中での幼さも心に残った。
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 それに対する、という立場でシャルロッテを見るアルベルタ、そしてヴァイオレットの立ち位置、というのが序盤は多い。
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 見守る、と言うまでの親しさはなく、あくまで相対する、というポジションであったように感じる。

 Bパートは姫は自分を客観視したり、自分の立場を理解した行動も増え始める。その中で自分の本心を伝え、受け止めてもらいたいという部分に焦点が当たり始める。ターニングポイントはシャルロッテとヴァイオレットが庭園で芝生に座り、会話をするシーン。
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 同じ年代の女の子、という立場が強調されたような、二人横並びの空間。山田さん演出回の『小林さんちのメイドラゴン』8話でも印象的だった地べたに座るという関係。必然的にローアングルになり、2人の関係性が変わり始めたことを感じさせる。
 その後のシャルロッテとダミアンの出会いの回想で、ヴァイオレットは初めて人が愛する感情を持つキッカケを知る。シャルロッテにとってはありのままの自分を見てくれる、ということが愛する感情の芽生えであったように見えたけど、ヴァイオレットにはどう映ったんだろう。

 そしてシャルロッテが「ダミアンの本当の気持ちを知りたい」と口にした時、画面はヴァイオレットに寄る。
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 このポン寄りがとても良い。ヴァイオレットの心を動かす一言として、すごく印象づけられる。

 そしてヴァイオレットの根底にある「気持ちを知る」という感情が動きだし、ブローチが映る。
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 これによってヴァイオレットがシャルロッテにより心を近付け、シャルロッテの「知りたい」という感情寄り添い、見届けようとしていることが強く伝わる。

 シャルロッテが直筆の手紙を書く時、後ろで見届けるヴァイオレットは代筆人というよりもシャルロッテに寄り添う者としての姿として映った。ヴァイオレットは今回、後ろから見守る存在であったり、同年代同士で横並びの関係であったり、様々な立場でシャルロッテと関わっていた。
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 月下の庭園の空間の狭さも良い。画面の緊張感とシャルロッテにとって「ダミアンしかいない」というダミアンへの没入感が伝わる。
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 フルショットなのも面白い。ダークファンタジー感…というか『エコール』っぽい侘しさ感じる画面。

 ラスト、シャルロッテは自身の気持ちをダミアンへ伝え、そしてダミアンの気持ちを知り、無事婚礼に臨む。
 シャルロッテは「ヴァイオレットにも婚礼衣装を見てほしかった」と言ったけれど、気持ちを受け入れられた先にある幸福と、変わることの不安があることも見てほしかったのかもしれない。

 関係性の移り変わりとともにダミアンやアルベルタも含め、互いが互いの感情に寄り添い始め「本当の心を知る」。その過程がとても鮮やかで、とても優しい。最後のヴァイオレットの表情にもそれが溢れ出ていた。
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 その他、面白かったところ。
 シャルロッテがしゃべらず語る、みたいなカットがところどころ散りばめられていた。
 今回はヴァイオレットが寄り添うシャルロッテが、そばにいないダミアンの気持ちを知ろうとする、という構図だからどうしてもシャルロッテの考えを話す部分が全面に出てくる。その分喋らずに芝居で見せる、という画面が印象に残ったのかも。
 特に印象的だったのは、ヴァイオレットが「涙を止めて差し上げたい」と告げた後のシャルロッテ。
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 アルベルタが起床時に「姫」と声をかけるともう起きている。FIXでパっと切り替えられるカット割りには何かが変わり始める兆しとしての印象を受けた。幼さの表現として使われていたベッドの中で、ひとつ成長の兆しを感じさせるような。


 あとは涙。シャルロッテが度々流す涙の粒も、その状況によって大きさも流れ方も違う。
 幼さの強調としての大きな涙もあれば
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 瞼にたまるだけの涙もある。
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 3話のルクリアの涙でも思ったけど、最近の京アニ作品とは少し異なる涙の粒が『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』では見られる。『響け!ユーフォニアム』だったか『聲の形』だったかのコメンタリーでも山田さんが言及していたピンク色の涙とか使ってくるのかと思った。 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は色を意識した作品でもあったからどこで使うのかなと思っていたけれど、作風があるからか、透明で繊細な涙の描写が多い。それもシチュエーションによってきちんと描き方を変えているのが、また面白い。

 

 
 今話でも、「もしも気持ちが受け入れてもらえなかったら…」と話すシャルロッテと、それを見つめるヴァイオレットが描かれていたり、この作品はキャラクターが今までに経験した感情、というのをすごく大事にしている。ついに愛しているの成就にまで寄り添えることが出来たヴァイオレットだったが、ギルベルトの兄と再会。ヴァイオレットが今まで手にした感情がどうなるのか、という部分も気になる。
2018-02-05(Mon)

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』4話について。

 どうも。じゃんじゃん更新。

 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』4話は、ヴァイオレットが「愛している」という言葉の重みを知る回だった。
 「愛している」を相手に受け入れてもらえなかったアイリス。このキャラクターを軸に「愛しているはとても勇気のいる言葉」、そして「受け入れられないと、そこに居たくなくなるくらいに」重たい言葉であるということをヴァイオレットは理解する。
 それを伝えるために、アイリスの心象やそれを取り巻く環境への演出的なアプローチが重厚で面白かった。

 アイリスは「受け入れられなかった」過去があるから自分をより大きいものに見せようとすることが多い。セリフもそうだけど、履きなれていないハイヒールにカメラが寄るのも印象的だった。2話でもハイヒールに躓くという仕草があったり、4話ではバランスを崩してしまって階段から落ちてしまったり、舗装されていない田舎道の水たまりで汚してしまったりする。
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 ホントは田舎娘であることだったり、「受け入れられなかった」過去を隠すような役割。使い慣れていない仕草からそのことを上手く隠しきれていないというのが、少し不器用なアイリスらしさにつながっていたりする。Bパート終盤にまたハイヒールを汚してしまったときにそれを見て微笑むアイリスが、4話を通してそんな自分を優しく許容出来ている感じがして、とても良い。

 「隠す」といえば火の灯りとランタンも印象的だった。アイリスが母と対立する時にクローズアップされるランタンとその奥の火の灯り。火を包み隠そうとする✕の形。
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 その後、「愛している」が「受け入れられなかった」話をヴァイオレットへ話し出すときには、裸の火の灯りと素足になったアイリスが。
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 ベッドから立つときにがに股になるのも面白い。
 アイリスの心の内を表現するにあたって感情の移り変わりを描くモチーフが絡み合って、より印象的なものになっていた。

 そしてその感情の移り変わりを表現するのに大きく作用していたのが画面の色と環境色。
 Aパートはとにかく緑色が強く出る。前話数までのブラウンがよく似合うライデンの町並みとも対比されて、カザリという街、そしてそこに住む人達の色が押し出されている。そしてそれに飲み込まれるように、アイリスに緑色の環境色が染み込む。
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 鮮やかな草木の色として描かれているはずなのに、アイリスの表情によって違う意味も感じさせる画面。

 Bパートの「愛している」が「受け入れられなかった」話をするときにアイリスへ反射する赤みがかった環境色、火の灯りとも関連付けると赤色はアイリスの奥底の気持ちで、包み隠されていない心の色なのかもしれない。
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 緑色の補色となる赤色、という意味でも緑から赤への移り変わりは対比的な表現。
 
 その後、奥底に隠されていた感情の露呈が終わり、ヴァイオレットの心の内を逆に聞く立場になると極端な色の移り変わりも終わる。そして緑(故郷、故郷の人たち)と赤(アイリスの「そこに居たくなくなる」キッカケとなった、心の奥底に閉まった気持ち)の中間に位置する青色に落ち着く。言葉が正しいかわからないけど、アイリスが2つの色(感情)と向き合って、折り合いをつけた。
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 その青色の感情を受け取った両親が、今度は緑色ではなく、青色の「アイリス」をアイリスへ贈る。
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 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』では、各キャラクターの真意や心の奥底の気持ちを伝えるときには青色が置かれていることが多い。

 また、上述の緑→赤→青の変化の兆しとして感じさせるのが、Aパート後半、ヴァイオレットが見つめるカザリの夜の風景。「判然としないが大したもてなしにふさわしい風景」とヴァイオレットが称したこの風景は緑の水田からパンアップされ、青色の夜空。そして曇り空の奥にある赤く光る月が映し出される。最終的にヴァイオレットはこの風景のごとく、アイリスやアイリスを取り巻く故郷、そしてその色同士のせめぎ合いと調和を目撃したことになる。
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 心の底に閉まった「愛している」が受け入れられなかった、という記憶と気持ちを掘り起こし、向き合うだけでも世界の色はガラッと変わってしまう。「愛している」という言葉の重みが様々なモチーフや色となって伝わる。そんな一話だった。

 
 その他で気になった点として、ヴァイオレットの後ろ姿。
 4話は前の話数と違ってヴァイオレットの後ろ姿が多く出てくる。アバンでもカップを片付けたりしていて、世界が広がった3話から考えると、世界に溶け込み始めた4話と言っても良いかも。
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 画面の端だったり、中心にいないことも。
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 今回絵コンテ演出やった武本さんの「後ろ姿で語る~」みたいな持ち味も出てる気がする。だからこそヴァイオレットの夜の景色を眺める横顔だったり、相手の感情を汲むことが出来ないと話す悔しそうな顔だったり、「愛している」がどういう言葉なのか考える表情が心に残る感じ。
 ただその分ヴァイオレットは口元を見せなかったりオフセリフの画面が多かった。…これはむしろ石立さんの色か?
 


 この回では冒頭の通り「愛している」という言葉の重みを知るのであって、意味を知ったわけではないというところが歯がゆくも面白いと感じる部分。きっと意味を知ったときにはその言葉の重みであったり、その言葉の断片が持つ様々な情報がヴァイオレットへ降りかかるに違いない。その時の感情表現をどう演出するのか。また一つ、今後の見どころが明確になった。
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