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2015-01-02(Fri)

話数単位で選ぶ2014年TVアニメ10選について。

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

 さて、コミックマーケット87に参加された方、お疲れ様でした。そして「雑感雑考出張所」にお越しいただいた皆さん、本当にありがとうございました。25部用意していったんですが、ほとんどそのまま持って帰るんだろうなあと考えていたのに、まさかの完売で…もうホントびっくりです。感謝感謝です。
 一応書きたいことを書くって体で書いたんですけど、まあ読んでいただければわかりますが割愛しちゃってるとこもありまして、他の方…ていうかもう名前だしちゃいますけど、アニメ偏報さんのコピー本とか読むと自分のテキトー感が半端無くてダメダメですね。全ては自分の語彙不足、文章構成力不足、熱意不足に起因するわけなので、努力したいと思います。って書いておきながら努力しないところがダメな部分なんだぞ俺。
 でもこれは紹介しておきたいなあってとこはちゃんと書けたような気がしなくもないので、今までの、そしてこれからの斉藤さんをチェックされる時にでも参考にしていただけると嬉しいです。他にも書けてない部分とか、新たに発見したことなんかが出てきたらまた同人誌作りにチャレンジしてみたいです。その時にはどうぞよろしくお願い致します。



 前置き長くなりましたが2014年も終わったことなので、今年も10選やりたいと思います。


 ルールは
・2014年放送のTVアニメ。
・1作品1話まで。
・順位は付けない。

とりあえず思いついた順で書いていきます。


1,『SHIRO BAKO』 第2話 「あるぴんはいます!」 脚本:横手美智子 絵コンテ:平井義通 演出:菅沼芙実彦 作画監督:大東百合恵

 この回はBパートの会議シーンがハイライト。制作日数の関係や演出の方向性から気持ちがバラバラとなってしまったスタッフ陣が、作品のキャラクターについて意思疎通することによってその場に「あるぴん」を出現させ、一つの方向に向かい始める。制作日数等から発生した「現実的な問題」をスタッフみんなが持っている「劇中作品・劇中アニメのキャラクターへの想い」という形でないものから解決策を見つけるっていう流れがアニメファンとして単純にカッコイイなって思います。会議中の会話内容の構成もお見事。アニメファンとしての部分とアニメスタッフとしての部分両面を意識した会話劇になっていました。その場にいるキャラクターが多いのもあって焦点が絞りにくい会話なのに、自然と結論に近づいていっている感じとか、話しているキャラクターの徐々に伝わってくる感情の昂ぶりとか、とても良かったです。


2,『あいまいみー -妄想カタストロフ-』 第6話 「石運び」 脚本・絵コンテ・演出・作画:いまざきいつき

 いやもうこの回のネタが全部好きなんですけど、「なんの用だ、人間たちよ」ってセリフと「お母さんがご飯できたって」って言うヘパイトスの後ろ姿が秀逸。ほのか先輩出てくると大体面白い。


3,『ハイキュー!!』 第16話 「勝者と敗者」 脚本:岸本卓 絵コンテ:宮地☆昌幸 演出:いとがしんたろー 作画監督:高橋英樹、本田真之、小泉初栄

 烏野高校が1勝を掴むことに対してどんな人がいて、その人がどんなバレーボールをしてきたかを表現することで烏野高校の1勝の重みをしっかり伝えていました。走り出したらあとは前へ前へ、となりがちなスポーツをテーマにした作品で、そこで終わってしまった人たちにスポットが当たっているだけでちょっともうグッときちゃうんですけど、ボールをつなぐ、ということと声掛けというバレーボールの基本的な部分に必死にしがみつこうとするキャラクターっていう構図が単純ながら想いがダイレクトに伝わってきて印象的な回でした。


4,『四月は君の嘘』 第5話 「どんてんもよう」 脚本:吉岡たかを 絵コンテ:石浜真史 演出:石浜真史、小島崇史 作画監督:小島崇史

 この回はBラストあたりが本当に好きで、演奏する理由である「何か」がまだぼんやりしている公生が、母を死なせてしまった原因であると思っている楽譜を投げる行為に(でもここの公生の気持ちとしてはこの行為というよりかは母に)固執しているんだけど、それをそこからもう一度「飛び込む」ことを「嘘」っていう表現で後押しするかをりの言葉で、二人に夕日が差し込む。「まぶしすぎて目を瞑ってしまう」公生がかをりをまっすぐ見つめることが出来た瞬間。これが絶妙なタイミングの劇伴と相まって、公生の心象が上手に演出されていました。「嘘」なんて言葉を使っておきながら まっすぐと公生を見つめるかをりがまた素敵なんですわ…。
 作画に注目すると小島さんのデフォルメ調のキャラクターがとても印象的でした。1話通してかをりのふわっふわな感じがうまく表現できていたのはもちろん、けんけんぱの辺りの「誰か待ってるって言ってた」から舌打ちをするまでのカットは、鋭角な線、粗い線、柔らかい線をかをりの気持ちの移り変わりと合わせるように上手に使い分けていて面白いなあと思いました。
 『四月は君の嘘』は6話とか10話とかもいいんですけどね。ピアノの演奏のシーンって各話演出陣の喜怒哀楽の表現方法がくっきりと見えてきて面白いですよね。


5,『ばらかもん』 第3話 「ひとんもち」 脚本:ピエール杉浦 絵コンテ:橘正紀 演出:中村里美 作画監督:松尾亜希子

 大久保瑠美枠ということで。今一番絶叫が上手い若手女性声優は大久保瑠美さんだと思います。劇伴と大久保さんの芝居で序盤から珠子ワールドが形成できていました。
 BL本投げる珠子、すごい上手ですよね。ビビッドレッド・オペレーションの1話の土屋さんパートのやつもそうでしたが、オーバースローで物を投げる作画をするときにトルネード投法を意識した作画にすると、リリースにエネルギーがしっかり繋がっているように感じて良いですね。リリース後の腕の振りと投げた物の動きのズレを意識したコマ打ちも重要だと感じますが、トルネードっぽい感じにすると投げる動作にもう一つポイントを作ることができて、一連の動作に説得力がつくのかも。
 ちなみにこの回の投げる作画は「それっぽい」フォームも上手に描けていますが、各動作のタイミングはもちろん、リリース後のおばけなんかにもこだわりが感じられて素晴らしいです。


6,『大図書館の羊飼い』 第8話 「魔法の本」 脚本:内海照子 絵コンテ:笹木信作 演出:ながはまのりひこ 作画監督:飯飼一幸、南伸一郎、謝夢

 この回は終盤の高台の場面が良い。佳奈は自分自身の暗い過去について劇を演じるように客観的に、静かに話す中で、徐々に主観的になっていく。道化役を演じなければと思っている佳奈に、「欲しいことを諦めるな。どんなことでも受け止める」と、こちらも王子様を演じるように気持ちを伝える京太郎。その時佳奈の気持ちが溢れ

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「自分の心に正直になりたい!」
と右手を挙げて想いを爆発させる。
その時にチョイスした顔がこれっていうのと、その後の二人で手を取り合うと同時に朝日が指すってのがちょっともう凄すぎる。
 いつもニコニコ楽しそうにしている佳奈がこんな表情で泣くってのがすごく好きで。んでその二人がこのポーズのまま朝日は昇り始めるってのが寸劇っぽさを醸し出していて、コミカルなんだけど直球な感じがすごく良くて。あとこの前の佳奈の独白はイヌカレーっぽさが残ってますよね笹木さん。
 あとあと『大図書館の羊飼い』全体がそうなんですけど、特にこの佳奈っていうキャラクターは線がゆるっゆるでそこがまた楽しい。
 『大図書館の羊飼い』、ほんともう最高です。皆さん見ましょう。


7,『アイカツ!』 第102話 「アイカツしよう☆Ready Go!!」 脚本:加藤陽一 絵コンテ・演出:佐藤照雄 作画監督:門智昭、渡部里美

 3rdシーズン始まりの一話。部屋で話すあかりとスミレの会話の空気感が良かった。友達になる過程というか、その途中であるような微妙な距離感というか。アイカツの2ndシーズン終盤の回から3rdシーズン終盤の回はあかりの不安定な感情であるとか、アイドルとして未熟な感じとか上手く表現できてますよね。最近のあかりちゃんはしゃんとしてしまっていて少しさびしいです。


8,『蟲師 続章』 第3話 「雪の下」 絵コンテ:長濵博史 演出:下司泰弘 作画監督:馬場充子、加々美高浩、馬越嘉彦

 雪の静けさがとても印象的な回。踏み込む足の音、水の音、そして雪の音がキチンと表現されていました。蟲師はキャラクターの動作一つ一つを大切にされているような印象。


9,『中二病でも恋がしたい!戀』 第6話 「躊躇いの…筑紫島周遊(ツクシノシマ・トラベリング)」 脚本:花田十輝 絵コンテ・演出:北之原孝將 作画監督:内藤直

 この回は物語的にもターニングポイントな感じですが、キャラクターの感情が強調されているように正面から表情をとらえていることが印象的でした。照れるという感情表現がこの回だけでも様々なバリエーションで伝えられており、面白かったです。


10,『スペース☆ダンディ』 第22話 「同じ馬鹿なら踊らにゃ損じゃんよ」 脚本:信本敬子 絵コンテ:米たにヨシトモ 演出:三好正人 作画監督:亀田祥倫

 それはなぜ起きたのか。今まさに生まれ出ようとしていた生命と、ダンディに秘められたパイオニウムが融合し、想像を絶する力を発揮したということだろうか。
 そして一つの惑星が終わりを告げ、ここに新たな星が生まれた。この星は何億年ののち、いずれまた惑星グリースと呼ばれることになる。だが、星自身はそう呼ばれることをきっと知らない。


以上10話。
 なお、話数で選ぶことができなかったため、10選にハンターハンターは入れませんでした。でも昨年やってたTVアニメで一番面白かったのは間違いなくハンターハンターだと思います。ハンターハンターはどこがいいとかじゃなくて、トータルでずば抜けていた。キメラアント編は特に良くて、DRを含むローテ作監陣が全員上手くて、その上澤田さんやら菅野さんやら、ここぞというアクションを担ってくれる人材がきっちりそろっていた。長い話数を上手く利用して、一人一人のキャラクターの行動の思惑と背景を重厚に描写できていた。画面内の空気感を各話スタッフが共有できていて、他作品以上に1話1話が次の1話にバトンを繋げる意志が感じられて、重く苦しい作品なのに、それがとっても爽快でした。

 今年も素敵なアニメに出会えますように。

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