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2018-03-07(Wed)

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』8話について。

 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』8話は7話のサブタイトル「        」の内を垣間見るような話だった。
 言葉で感情を伝えることを理解し始めたヴァイオレット。そのヴァイオレットが言葉にはできないほどの大事な存在と、その喪失。ギルベルトがヴァイオレットにとって「世界そのもの」になった過程を描くことで、ヴァイオレットに突きつけられた喪失感を如実に知ることになる。


 ギルベルトの死を認識することについて。
 ヴァイオレットは死の重さを認識したからこそ、「世界そのもの」であるギルベルトの死を受け入れられない。
 その「受け入れられない」の表現として、ヴァイオレットの表情をなるべく見せないようにする画面が多い。表情を見せないことによって、想像せざるを得ない。感情をほとんど顔に出さないヴァイオレットの表情を推し量ることは難しい。その状況下で、ヴァイオレットが「ギルベルトが未帰還なのは事実か」と声を張り上げる。
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 ここでやっとキチンと表情を見ることができる。事実確認の意味よりも、そんはずはないという否定が根底にあると強く感じる。ヴァイオレットにとってのギルベルトの存在をあらためて認識するような表情でもあった。
 加えてこのカットのヴァイオレットが不安定な様子は、ギルベルト兄にとってただの「道具」に過ぎなかった頃のヴァイオレットと比較されて、変化の象徴として映っている。
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 ギルベルト兄との対面では真実を確認する時だけ表情を見せる。それ以外は顔を見せない。ギルベルト兄の知る「道具」としてのヴァイオレットとは違う表情をしている、ということを表情を見せずに伝える、という役割も兼ねていて、一連のカメラワークが印象的なシーンだった。
 
 表情を見せない画面では「現在のヴァイオレット」の象徴して結った髪にカメラが寄ることが多い。
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 回想のヴァイオレットが後ろで髪を束ねているだけということもあり、印象に残る。線の多さがそのまんま繊細さの象徴としても映る。

 ギルベルトの邸宅に戻り、ギルベルトの墓と対面する。その時の色味が消えたヴァイオレットがとても印象的だった。
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 環境色含め、様々な色があった今までの話数とも対比されている。たくさんの感情を汲み取ってきたことを無に帰してしまいそうでもあり、空白という言葉をより強く感じさせる。
 特に瞳は感情の湧き立つところとしても多く描かれてきたし、この話数でもブローチに関わるシーンでクローズアップされている。そこから色味が消える、というのがとても怖いことのように映る。
 極端な表情付けは今回絵コンテ演出の澤さんの色と考えていいのかな。このカットも今まで表情を極力見せてこなかったことによって、強く印象に残る表情になってる。



 ヴァイオレットの過去について。
 アバン。黒い闇の中にあったヴァイオレットに、ギルベルトが始まりという意味での白を与えようとするようなカットが多い。
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 ギルベルト邸宅内も白が意識されてる。
 その後、すみれ色、ブローチのエメラルドグリーン、街の灯りの暖色が増えていく。
 色とともに、心の距離感としての境界線演出もいくつかあった。
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 (暗い)
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 アバン、出会いの場面。ベッドの柱を境に分かたれた状況から、ギルベルトがヴァイオレットを抱き寄せる。ギルベルト兄の言う「道具」としては扱えない、というギルベルトの想いを感じる。
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 そして終盤のホッジンズが会社を興すという話をした後。兵士を辞めさせられてギルベルトに見捨てられてしまうというヴァイオレットの気持ちと、ヴァイオレットに対し兵士ではない生き方を望むギルベルトの認識違いの描写。

 炎の使われ方も印象的だった。通常であれば当たり前のカットでも、7話の「燃えている」という言葉から少し焦点を当てたくなる。
 3話では人の心としての印象もあった炎。ヴァイオレットの過去にある炎は、いろいろな形に変化していた。
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 名も無き兵士が持つ小さな炎。ヴァイオレットが淡々と絶やした命にも人の心があったはずだ。
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 兵士の持っていた小さなランタンをヴァイオレットがまき散らし、大火に変わる。ヴァイオレットの兵士としての成長を抑止出来ないように、制御できない大きな炎へ。
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 そのことにギルベルトは顔を歪める。
 炎の中、死線をくぐり、照明弾を打ち上げたギルベルトが見せる小さな笑み。苦笑とも映るし、悲しみを含んだ笑みにも映る。
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 自分には「ヴァイオレットが兵士として活躍する(=人を多く殺す)ことを望まないギルベルトの本心」と、「ヴァイオレットの武功に対する感謝」という裏腹な気持ち、そしてギルベルトがヴァイオレットへ望んでいた「道具ではなく、その名が似合う人になる」という兵士としては叶えられない「いつかきっと」を、ホッジンズの話を聞いて叶えられるかもしれないという安堵…そういったものが複雑に入り混じった表情に感じた。
 そしてギルベルトが撃たれ、画面を包む炎。
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 過去のヴァイオレットの世界も、白に変わる。



 現在のヴァイオレットも、過去のヴァイオレットも、白に侵食されるというのがラストカット。喪失、無に帰す、真っ白…1話の頃の「生まれたばかりのまっさらなヴァイオレット」とは違う印象を持つ白がヴァイオレットを包んでいるようで、とても興味深い。最初に見た1話と、8話を見た後の1話では物語の印象も画面の色の印象もなんとなく違って見える。

 ギルベルトの墓前でいろいろな人の「ギルベルトは死んだ」を意味する言葉がオーバーラップのようにヴァイオレットへ圧し掛かるけれど、今までの物語の中にはヴァイオレットを支えてくれるような言葉や感情もあったはず。
空白となった「        」の中が、この先のヴァイオレットの世界の色とそれを取り巻く言葉や感情、そしてヴァイオレット自身の表情で溢れることを願いたい。
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